歌のアドバイス「風のめぐるとき」・随感【 山本瓔子・詩のギャラリー公式サイト】


歌のアドバイス「風のめぐるとき」

「風のめぐるとき」解説 (その1)


山本瓔子の歌「風のめぐるとき」を学校で練習しているという方から
メールをいただきなにかアドバイスをということでした。

詩人の立場からの一言をここに記してみます。

一つの歌を歌うときまずその詩を理解しないといけません。
詩を声に出して何度も何度もよんでみてください。
強弱をつけて、大きな声や囁くような声で、雰囲気や感情を
こめて読んでみてください。
みんなで研究しあうのも良いでしょう。読み方のコンクールを
してこんな感じがいいと批評しあうのも良い結果がでます。

「風のめぐるとき」この歌は、ひとつの心象風景を歌ったもの
でもあります。
人の心はいつも揺れ動いています。自然が四季折々いろいろな
風情を見せるように。

あるときは悦びあるときは悲しみ、感動したりどきどきしたり、
とても移ろいやす
く、それは季節の移り変わりによく似ています。
そして人間は次第に成長していくのです。
生きている人間と生きている自然は、深くかかわっています。
自分の心の一断面を切りとって、当てはめて見るのも、好いで
しょう。

たとえば人を好きになる思い・・・
     切ない泣きたくなる思い・・・
     好きだという強い激しい思い・・・
     やがて泣けた思いは受け入れられてこんなに明るく
      前向きになれた・・・と言った風に一歩前進して。
またたとえば、・・・
     いさかい・・・
     心の葛藤・・・
     友と分かり合えて明るくなった・・・
でもいいでしょう。

またさらに
     勉強が思うようにいかない・・・
     一念発起して・・・
     やっと先が見えてきた・・・などなど。
一番自分にぴったりくるものを見つけて、この詩が解った
ような気持ちになったらしめたものです。

そしたら今度は歌で合わせましょう。
感情表現をわすれないように、言葉の意味を理解して
表現すること。

Aの部分は、しっとりと、感情をこめて歌ってください。
雨の情景、心にしっとりと来るなにか。
それは各自が最もふさわしいものを、心に描いてください。

Bの部分は、力強く、心を込めて歌ってください。
山が燃える様を激しく歌ってください。鹿の野生を思い描いて
下さい。

A`の部分は静かに入って、AがBに変わった過程を思い描き
ながら、静かに力強く、朗々と自分の心が前に向き、
上昇志向に変わっている様を歌ってください。

詩人側からのお願いは、先ほども言ったように詩を何度も
読み返し詩の心を理解していただくことです。
あとは楽譜にあるmpやmfや>記号そして(全力をこめて)
(静かに)などに
そって表現してみてください。それから発音はクリアに、
聞く人によくわかるように、揃 えるところは
よく揃えてください。


どうか練習を繰り返して、納得の行く成果を収めて下さい。
ご成功をお祈り致します。

「風のめぐるとき」解説 (その2)

    (先に記した解説に付け加えて)

雨が降っています。
冷たい雨が音もなく、細く降っています。
誰も居ない、ひっそりとしたお寺の山門。
動く気配は風とひよどりの動きだけ。
悲しい、寂しい思いを拭いきれずに、佇むと、
周囲の深い緑が、相和して、そんな私をしっかりと抱き包んでくれます。

何とも言葉に出来ないほどの、深いおおらかさで、
重厚な無言の空間を、私と共有してくれます。
古刹のたたずまいが、気持ちを落ち着かせてくれます。
それもこのしめった冷たい風の動きが、そこはかとなく
吹いてくるからなのでしょうか。



またあるときは
全山紅葉して、赤く黄色く彩られます。
その燃えるような美しさは、心の中に秘めた、激しい情熱を
表しています。

何ものにも替えがたいこの美しさは、
神のなせる技、我が日本独特の美です。
鹿は秋になると角が堅くなり、野生の叫びをあげるようになります。
その激しさ、歓喜、美しさもみんな風が運んで来ます。



このように季節が移ろい、人間の思いの揺れるのも、
この四季の折り目のはっきりした日本には、
四季の風が巡っているからでしょうか。

あるときは心に悲しみの雨を誘い、
またあるときは、華やかに気持ちを浮き立たせます。



そうして人間は日々成長し、変化し、一時も止まることはありません。
すべてが進化し続けるのです。

全ては輝かしい光の射す時の為なのです。

その日の為に、遙か彼方を見上げて、胸を張り、しっかりとした
歩みを進めて行くのです。

風は様々な思いを内に秘め、描きながら、今日も巡っています。




合唱は言葉が混ざり合って、聞き取りにくいものです。
それを如何にクリアーに発音するか。歌詞を持たない人が、
耳から聞いて、如何に全ての言葉を理解するか。
言葉に聞き取れない所があっては、聴く人は感動しません。

言葉が全て理解できたら、聴く人は涙を流すことでしょう。
しっかりと、はっきりと、語りかけてください。

特に母音は明瞭に。口の形をきちんと整えましょう。
たとえば「青い」という言葉を発音するとき、口を同じ形に開きっぱなしで
「あおい」といったら聴く人には「あああ」と聞こえます。
すっきりと澄んだ青さを、こころをこめて表現しましょう。
濁っていない透明な「青」を心に描いて『語る』ことの大切さ、
人に感動を与える為には、まず自分から感動を味わうことが大切です。


情感の籠もった、素晴らしい演奏になりますよう、お祈りしています。


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