私のモーツァルト 2006/1/31
2006年新春、私はオーストリアのウィーンにいった。
あの有名なウィーンの学友協会ホールで、私の詩「笹舟」が日本舞踊とソプラノのソロで上演されたからだ。そのほかにも尺八、合唱などが加わって多彩だった。
今年はモーツァルト生誕250年記念ということで、丁度その年にウィーンとかザルツブルクへ行ったのだから、モーツァルトを記念して雑文を書かないわけにはいかない。
モーツァルトは1756年1月27日ザルツブルクで生まれた。1月27日にこの記事をアップすればよかったのだが、私も大変忙しいので、ままならない。1791年12月5日ウィーンでこの世を去るまでの36年間に626もの作品を生み出した。
ザルツブルクは寒いところと聞いていた。マイナス20度になると言うことだったが、私が訪れた新年は、多分0度かマイナス2度ぐらいだったろう。ウィーンもザルツブルクも東京よりよほど暖かく感じられた。
モーツァルト広場の像、町並み、そしてモーツァルトの生家など、どれをとっても時代を遡ってそこにヴォルフガング=アマデウス・モーツァルトが存在したのだということが、静かな感懐をもたらした。
意外に小さな部屋をいくつもつないだアパート。モーツァルトの弾いたピアノ。これも小さくて黒鍵と白鍵が逆になっている。これで幼いときから恵まれた絶対音感を駆使して、作曲をしていたのかと、感動を覚える。
父は家族と共に演奏旅行にでかけるなかで、我が子の才能をいち早く感じ、神童と呼ばれるにふさわしい逸材で天はまさに宝物をお与え下さったと喜んだ。
シェーンブルン宮殿でつまずいたモーツァルトをたすけたマリー・アントワネットに「ぼくのお嫁さんにしてあげる」といったなど、エピソードは数限りなく残っている。
体にいいモーツァルト。記憶力の活性化、安眠、美肌、心理的効能がいわれている。牛の乳の出がいい、酒の酵母にいい、などなどモーツァルトをきいて育ったものは、優れた効能が顕著なのである。1/f といわれる、不規則と規則の中間のゆらぎが、神経系へ効果的な刺激を与えるということは、すでに科学的に証明されている。
耳に心地よい珠玉の旋律は、倚音(いおん)つまり前打音という装飾音(ある音符の前に小さい音符で付加された音だが奏法はさまざま、短めに演奏されることが多い)に代表されるように何ともいえずハッピーになる。
私もオーストリアから帰って、机の上に手持ちの中からモーツァルトばかり17枚のCDを抜き出した。
これを時間の許す限り聞いて、リラックスしようと思っている。